2021/7/3
いのち(生命)
虫が苦手な方はごめんなさい・・・。ご家庭のパンジーやビオラにこのような幼虫を見かけたことはありませんか?見た感じ、トゲトゲしていていかにも危険そう!ですよね・・・だけど大丈夫です!敵から身を守るためにこのような形をしているだけで、このトゲのようなものは実はとても柔らかいのです。触っても大丈夫です!よ~く観察していると・・・葉っぱを食べる姿、うんちをする姿、割りばしをのぼって遊ぶ姿・・・時には手で持っているような仕草で葉っぱを食べる事もあり・・・とても愛おしいのです!
だから、見つけても決して踏みつぶさないで下さい!!
これはツマグロヒョウモンというチョウチョウの幼虫なのです!
「はらぺこあおむし」の絵本のように本当によく食べ、太っちょになってさなぎになります。さなぎはキラキラした点がついていてとてもきれいです!
それからさなぎの皮を脱いででてくるのです♪
しばらくさなぎにつかまって羽を乾かします!乾いたら羽を動かし飛ぶ練習を始めますよ!
とても人懐っこいチョウチョウでなかなか人の手を離れようとしなかったり、逃がしても子どもさん達のところに戻ってきたりするのです。まるで「育ててくれてありがとう。」「また遊ぼうね」と言っているかのようです(^^)!
子どもさん達の中にも初めは「いやだ」「こわい」というお友達もいました。しかし、保育者たちが「生命(いのち)」があることを伝えたり、こうやってお世話をするんだよ、可愛いよと実際に見せたりすることで、子どもさんもなんだか可愛くなってきた!と思えるようになってきます。「あっ、先生、今ウンチしたよ!緑色のウンチ!」「お腹が空いているみたいだから、僕の給食あげようか?」「でもすみれの葉っぱしか食べられないんだよ」と少しずつ興味を持つと共に自分たちでお世話をしようとするのです!
中には幼虫のうちに生命(いのち)が終わってしまう事もありました。そんな時には、どうして死んでしまったの?もっと水をあげたらよかったのかな?ごめんね。お墓を作ってあげよう!と生命のはかなさに気付き、生きる事の大切さにふれます。
自然界のものを私たちが虫かごに入れたのであればそれは、私たちが生命(いのち)を預かったということです。それには「責任」があります。お世話をしていても死んでしまうことはあります。中にはさなぎになってもそのまま出てこないこともあります。もちろん、なるべく環境を変えず、自然の中に返してあげることが一番です。ですが、私たちは子どもさんたちにこのような経験から学ぶことがたくさんあると思っています。
私たちに生命の大切さを教えてくれてありがとうございます。ありがとう。
さなぎになった時に落ちてしまったさなぎがありました。そうなるとうまく出てこれなかったり、出てきたとしても羽が変形して飛べない事もあります。昔、そんな奇形のチョウチョウを一所懸命に応援していた子どもさん達のことを思い出しました。自分たちが一所懸命に育てたチョウチョウが何とか飛べるように・・・。
今回は無事に出て来られますようにと先をボンドで少しとめて様子を見ていたのですが、無事に羽化しました。羽の端が少しだけ曲がっていましたが、きちんと大空へ飛び立ちました!よく頑張ったね・・・(#^.^#) お友達も、毎日無事に羽化しますように、飛べますようにと声をかけて優しく見守ってくれましたね。この願いや想いが、命の意味、守られて生きることに気付くための大切な一つになっています。
鶴原