9月3日(月)戸外で、ダンスの練習をする前の出来事です。幼児(お友達)に、「今からダンスの練習をしようと思います。お友達はお部屋の中でしたいですか?それとも運動場でしたいですか?」と聞くと、「お部屋でしたい!」という幼児が多くいました。そこで、「どうしてお部屋の方がいいのかな?」と聞くと、「ひざが痛いから!」と…。ダンスでは、片足を立ててひざをつくポーズが何度かあるため、運動場では痛くて思いきり踊れないようです。幼児の素直さを感じ、受け止め、その日長ズボンを履いてすると、「わあ!魔法みたいに痛くない!」と嬉しそうにダンスする姿が見られました。そして、その出来事を園長先生に報告すると、翌日の朝、運動場をトンボできれいに整備してくれました。そのおかげで、その日は半ズボンでしましたが、「あ!今日は痛くない!お弁当ピカピカに食べたけん、足が強くなったのかも。」というつぶやきが聞けました。園長先生の魔法のパワーが幼児に伝わったのだなと感じました。
幼児に問いかけ相談し言葉のあやとりをすることによって、また園長先生に報告することで、幼児の素直な意見を尊重し、幼児にとって最適の環境で活動することができました。ほんの一言の言葉でも、大切に、真摯に受け止めて次へと繁げていきたいと思いました。
9月5日(水)園外保育へ行きました。年長児は片道約4kmの道を歩き、めざす目的地は杖ノ淵公園です。道中は『さんぽ』の曲を自然と口ずさみ、途中とんぼに出逢うと曲は『とんぼのめがね』に変わります。お歌が終わると、誰からともなく 「ファィト!ファィト!」と自分たちで自分たちを励まし合いながら歩き、絶えず楽しい雰囲気で歩きました。また、久谷大橋を通ると、「あ~なんだか揺れて、空飛ぶ機械に乗ってるみたい。」とか「雲の上みたい。」「孫悟空になったみたい。」などの子どもさんらしい可愛いつぶやきや、「トラックが5台ぐらい通ったら、もっと揺れるかな。」との年長児らしい知識を感じるつぶやきが聞けました。小学生になったら、小学校まで歩く!という目標があるため、懸命に目的地を目指し歩くことができました。到着したら、笑顔になり、疲れを感じることのないいつもの元気さで水遊びをしました。お家の方の作ってくれた愛情たっぷりのお弁当を食べて、バスに乗って帰ろうとすると…何か不満そうに「先生、帰りは歩かないの?」との声がありました。たくさん歩いて、たくさん遊んで、まだまだ歩いて帰る元気がある子どもさんの成長とパワーを強く感じました。そして幼稚園に帰り、今日1日を振り返りました。一人の幼児につけてもらった歩数計で行き道に何歩歩いたか測っていたので、その確認をしました。すると…なんと7201歩も歩いていました。嬉しさが溢れ、「帰ってお母さんに教えよう!」とみんなでお話しました。しかし”7201″という4桁の数字を覚えるのはなかなか難しく 「忘れそう!どうしよう…」と。そこで一人の幼児が「先生、忘れそうやけん、手に書いて!」と提案してくれました。「そうですね♪それでは、忘れそうで心配なお友達は手に書くので、並びましょう。」と言うと20人全員の列ができました。しっかり覚えていた幼児も、いつもとは違う園外保育の印を書いてほしいという気持ちがあったようです。この日、右手に記された7201の数字は、幼児の心に深く残ったことと思います。そしてこの後「この文字が明日幼稚園に来て消えてなかったら、お風呂に入ってちゃんと洗ってないってことよね!」とお友達同士の話合っている姿はとても微笑ましいものでした。
9月14日(金)荏原郵便局へ敬老の日の葉書をポストに投函しに行きました。前日から「歩いて行きますよ。」と幼児に伝えると、「何歩かな?」「歩数計誰がつけるの?」と荏原郵便局までの歩数(数字)に興味津々な様子でした。当日は誕生日が近いお友達に歩数計をつけてもらったのですが、その事をお友達に伝えると、「あ!もうすぐAくんお誕生日やもんね♪」「Aくん、おねがいね!」との声が自然と聞こえ他人を思いやる心が芽生えてきたことを感じました。”自分も歩数計をつけたい!”という思いは1人ひとり心の中にあるとは思いますが、その気持ちをぶつけることのない我慢の心が育ち、またそんな言葉掛けができる優しさが1人ひとりの心にあることを強く感じ、今日も一言の言葉の中から成長発見ができました。
郵便局へ行く道中、3人のおばあさんに出会いました。まず最初にお互い気持ちの良い「おはようございます。」の挨拶を交わしました。そして、おばあさん方が「気をつけていってらっしゃい。」という言葉をかけて下さり、「行ってきます!」と元気に言葉を返し、さらにその後「まあ可愛い。」と言って下さった言葉に対し「ありがとうございます。」と返事をしていたのには、可愛らしく思わず私も笑顔になりました。たった10秒たらずの出会いと別れでしたが、気持ちの良い挨拶とともに、言葉と心のキャッチボールができていて、素敵な空間と時間が流れているなと胸が熱く、幸せな気持ちになりました。
郵便局に到着すると、気持ちを込めて書いた自分の葉書を両手でしっかりと持ち、ポストの前で「届きますように…」と言いながら入れたり、静かにお願いをして入れていました。大好きなおじいさん、おばあさんへの気持ち、葉書に思いを馳せて届いたことと思います。
幼稚園に帰ると、お友達が楽しみにしていた歩数の発表をしました。「杖ノ淵公園より近かった!やけん7201よりは少ないと思ぅ~!!」というお友達の予想を聞き、「今日は2012歩でした!」とゆっくりと発表をしました。「今日は2だ!」「前(杖ノ淵公園)よりだいぶ少ないね!」「でもいっぱい歩いたよ!!」などというつぶやきの中、Bくんが「今と一緒だ。」とつぶやきました。気になったので、「Bくん、Bくん。なにが今と一緒なのかな?」とそ~っと聞いてみると、「2012年やけん。」と…。お友達の発見や気付きって素晴らしい!!と改めて感じ、思わず拍手をしてしまいました。毎日の日付の確認は、”平成24年”ではじめているのですが、この日から西暦2012年と確認もしようと私自身勉強になりました。
幼稚園生活において、お友達にとって同じ日はなく、日々が新しく発見の毎日です。その日、その時のつぶやきをこれからも大切に、聞くだけでなく受け止め、思い出として遺していきたいです。