1.言葉の使い方を考えてみましょう
言葉を選んで大切に使えば、よいことばが生まれるし、いいかげんに使えば、つまらないことがおこる。
2.相手に気持ちよく行動してもらう言葉
腹を立てて人に注意するとき、人は言うことを聞かないし、おこったりするが、穏やかで、何気ない言葉は、人を動かすことがある。
「起きなさい」の声は、反発する心がはたらくが、「いま何時かな」の声は、「もう起きよう」という気持ちにはずみをつける。
同じ席をつめてもらうのにも、「すみません、少しずつ席をつめてください。もう一人座れますから」と言うと、しぶしぶ席をあけた。「おはようございます」と大きな声であいさつをして、ちょっと席をつめてもらう動作をすると、快く席をあけた。
言葉の使い方によって、相手に快・不快の行動をおこさせる。
3.美しい言葉は人の心をつなぐ
歌や演奏のように、日常の言葉も美しく形を整えて使えば、お互いの心をもっと伝え合える。
言葉は意思を伝え合ったり、用件を伝えたり、説明したり、物事を円滑に運ぶだけでなく、心の交流にも大きなはたらきをする。
4.子どもにどんな言葉を投げかけていますか
ある中華そば屋で、母親のきつい叱り声のため子どもは泣き出し、食べていた客のラーメンもまずくなった。
子どもたちは親の言葉で育っていく。人をののしる言葉は、言われた本人と周りの人に不快な印象を与え、本人はいつの間にか自分をそういう人間と思い込むこともある。自分の言葉が人を傷つけてないか気をつけ、言葉を大切に使うべきである。
伸び伸びと育つ子どもの性格を、大人の言葉で変にねじまげていないか、考える必要がある。
5.楽しさが子どものやる気を伸ばす
子どもがやろうと興味を示していることを、親がさえぎり、軽蔑し、欲張り、決めつけたりすると、子どもはやる気をなくす。子どもは、親から信じられ、認められ、励まされ、喜ばれたときの楽しさからやる気をおこすが、この関係はすべての人間に当てはまる。まず人のよい点をほめ、励ましの言葉をかけ、人に生きる喜びを与えられる人になりたいものである。
6.よい響きをもって語れる人に
言葉の先生は母親が第一である。赤ちゃんに語りかける母親の優しい声に学びたいものである。
私たちの声の調子の中には、言葉の意味以上に、私たちのほんとうの心が響いているので、よい響きをもってかたりたいものである。
生きる喜びと楽しみを与えられる人になるにはどうしたらよいのだろうか。
どんなときも、人の幸せを第一に考える人の一言は、人を感動させる。
どんな人をも愛し、人がよりよく育つのを見守っている人の言葉づかいは魅力的である。
心を磨き、よりよい言葉を選び、言葉を大切に使っていきたいものである。